2008年10月21日火曜日

「F」というマンガ

20代前半のころは良くマンガを読んでいたが、この「F」は何度も読み返した。

無敵で無鉄砲な主人公・軍馬が群馬のド田舎から最後は車のレースの頂点「F1]に登りつめていく。それまでに親子の確執、兄弟の確執と融和。恋人、友人との死別、愛、ライバルとの命を削るデット・ヒート、仲間との一蓮托生の友情。そして「孤独」。闇と栄光、レースに命の全てをかけて・そしてレースも投げ捨て底辺に落ちたりする。しかしだ。やつは生きる。厳しい悲しい状況に合うほど走る切れ味が増していく。速くなっていく。そしてアイルトン・セナと同じ舞台で頂点を極めて行く。

印象に残るのが、成り行きで孤児の里親みたいな事になった主人公は、わが子のように愛していた孤児「ピーボー」がレース中に事故死してしまう。彼はその夜に一人黙々と意味もなくレース場の土を素手で「穴」を掘リ続ける。ひたすらに。そして中原中也の詩が重なる。

または、ライバルとデットヒートの末の最後、圧倒的な力量でチェッカーを受け、永年のライバルを見据えて、「完全な勝利」で見つめるシーン、それは栄光を受けて月桂樹を受ける「皇帝」そのものだ。

父親になり、息子が主人公の「何人たりとも俺の前を走らせない」をもじったセリフでサッカー・ボールをゴールさせた時、土手裏で「ちっ、バカが」とつぶやくシーン。

はっきりいって読んでいて「辛く、苦しい人間の闇」がある、だけど読んで損はない良さがあるし未来がある。俺はブックオフで買ってまた読んでみる。

紹介
http://ja.wikipedia.org/wiki/F_(%E6%BC%AB%E7%94%BB)

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障害者・地域支援センター作業所型ほっと館「ぷらすわん」で働いている「やまちゃん」です。