都筑区折本町「淡島社」神社のお祭りで、
ここ「ぷらすわん」でも3発の花火が何度も聞こえてくる。
淡島神社の神様は「女神様」なのでこの日を奉り祝うのだろう。
「ぷらすわん」作業所もちらし寿司を皆で作って食べて祝う。
夕方にみぞれ交じりの雪が降り始めて寒くなってきた。
こんな時は宮沢賢治
風呂に入って晩酌しても寒くて、吐く息が室内でも白い。
でも冬は当然雪の道南育ちの俺には少し嬉しく思う。
みぞれの降る夜にこたつで晩酌してると
宮沢賢治「永訣の朝」の「あめゆじゅをとてきてけんじゃ」を思い出してみる。
兄が、死に行く妹の最後の願いを叶える為に、
最上の聖なるものを届けようとする願いと祈りの詩。
けふのうちに
とほくへいってしまふわたくしのいもうとよ
みぞれがふっておもてはへんにあかるいのだ
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
うすあかくいっさう
みぞれはびちょびちょふってくる
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
青い
これらふたつのかけた
おまへがたべるあめゆきをとらうとして
わたくしはまがったてっぽうだまのやうに
このくらいみぞれのなかに飛びだした
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
みぞれはびちょびちょ沈んでくる
ああとし子
死ぬといふいまごろになって
わたくしをいっしゃうあかるくするために
こんなさっぱりした雪のひとわんを
おまへはわたくしにたのんだのだ
ありがたうわたくしのけなげないもうとよ
わたくしもまっすぐにすすんでいくから
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
はげしいはげしい熱やあえぎのあひだから
おまへはわたくしにたのんだのだ
銀河や太陽、気圏などとよばれたせかいの
そらからおちた雪のさいごのひとわんを……
…ふたきれのみかげせきざいに
みぞれはさびしくたまってゐる
わたくしはそのうへにあぶなくたち
雪と水とのまっしろな
すきとほるつめたい雫にみちた
このつややかな松のえだから
わたくしのやさしいいもうとの
さいごのたべものをもらっていかう
わたしたちがいっしょにそだってきたあひだ
みなれたちゃわんのこの藍のもやうにも
もうけふおまへはわかれてしまふ
(Ora Orade Shitori egumo)
ほんたうにけふおまへはわかれてしまふ
あああのとざされた病室の
くらいびゃうぶやかやのなかに
やさしくあをじろく燃えてゐる
わたくしのけなげないもうとよ
この雪はどこをえらばうにも
あんまりどこもまっしろなのだ
あんなおそろしいみだれたそらから
このうつくしい雪がきたのだ
(うまれでくるたて
こんどはこたにわりやのごとばかりで
くるしまなあよにうまれてくる)
おまへがたべるこのふたわんのゆきに
わたくしはいまこころからいのる
どうかこれが天上のアイスクリームになって
おまへとみんなとに聖い資糧をもたらすやうに
わたくしのすべてのさいはひをかけてねがふ
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